学会長挨拶

本年は、日本美容外科学会が先人のご努力によって昭和42年に設立されて以来50年を経て、新たな半世紀を歩み始めた歴史的な年です。
昨今の美容医療を取り巻く環境の大きな変化に対応しつつ、私たち会員医師は、自由診療分野が新たな時代に入るに相応しい確固たる気構えと覚悟を持って、美容外科界の発展のために、手を携えていかねばならないと痛感しています。
そのためにも今学会では、それぞれが持てる智恵と実績を惜しみなく示し、同科医師の議論に付して、より精度の高い美容医療の確立を希求していくことが重要と考えております。
今学会は、正会員の皆様に、実践の中から、最新の美容外科医療の取り組みを広く発表していただけるように、かつ実務面でも有益な情報提供の場となるよう一般演題も増やしました。
一方学術面では、各分野の専門家のご講演はもとより、内外の美容外科最前線の技術、医薬品医療機器等の研究成果など実務に役立つ内容を用意しております。

どうぞ、この機会に、多くの最新の情報を吸収していただきますようお願い申し上げます。

本来美容外科は「幸福の医学」であるといわれています。

私たちは医療人として、安心安全の美容医療を提供することは言うまでもございませんが、同時に、患者さん中心の美容医療を構築する取り組みをしっかり行うために、インフォームドコンセントの重要性の増大、患者さん本人の意思が最も優先される自由診療現場の実際、働き方改革も考慮した労務対応、特定商取引法下での継続的治療の法的対応、医療機関ホームページガイドライン、広告規制の改定に伴う見直し等々、直面する多くの課題を真摯に受け止め、信頼を獲得していかねばなりません。

おわりに、本学会を通じてより多くの会員の皆様が、得られた知識を日々の業務に活かして、さらなる向上されますことを期待しますとともに、当学会が益々発展できますよう皆様のご協力をお願い申し上げ、ご挨拶といたします。

第106回 日本美容外科学会
学会長 綿引 一
品川美容外科・医療法人社団翔友会理事長